日本人にも多い睡眠障害「過眠症」はナゾが多い病だった

実は不眠症よりも危険な睡眠障害「過眠症」とは?

過眠症とは、夜眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気が生じ起きているのが困難になる状態です。

 

夜間に眠れなくて疲れてしまうのと異なり、過眠症の患者は日中の眠るべきではない場面、仕事中、食事中、会話中などに何度もの居眠りを感じてしまいます。

 

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日中の活動時間帯に強い睡魔に襲われてしまうため、仕事中の作業ミスや運転事故につながる可能性が否定できません。このことから、不眠症よりも危険な睡眠障害と考えられています。

 

一日10時間以上の睡眠を最低2週間常に取っているか、日中に何度も居眠りをしてしまう場合に過眠症と診断される可能性が高くなります。

 

「過眠症」は一般への認知も低く誤解されやすい病気

過眠症は青年期の終わりにはじまることが多いと言われている疾患です。そのため一般的に、10代に多く見られます。過眠症の難しいところは、「たださぼりたいだけではないか」「怠け者だ」などといった誤解を招く可能性があるところです。

 

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過眠症は、まだまだ認知度が低く、周囲から「意欲がみられない」「気が緩んでいる」「緊張感が足りない」などと誤解されてしまいがちです。

 

ほとんどの方が自覚症状がなく、ただ眠くなりがちだと思うだけで改善しようとせずにほっているケースが多くみられます。

 

本人はもちろんのこと他の人にも広く認知されること、正しい理解が深まっていくことが過眠症患者の数を減らすには必要です。

 

「過眠症」は根本的な原因が不明なナゾ多き病

過眠症は遺伝的なものや、ストレスなどが重なることで発症するようですが、実際のところ殆どの原因はまだ分かっていません。

 

現時点ではまだ根治的な治療法は見つかっていませんが、正しい診断と適切な治療を受けることによりほぼ普通の日常生活が可能になるケースが多いようです。

 

なぜこんなに眠いのだろう?おかしくない??と異常に思われる方は、一度専門医に相談された方がよいかと思います。

 

厚生労働省の調査によると、現代人の5人に1人は睡眠に関する悩みや障害を抱えているそうです。睡眠障害というとまず「不眠症」が思い浮かびますが、実は20~59歳の働き盛りの多くは、 日中に強い眠気に襲われる「過眠症」に悩まされています。

 

主な「過眠症」3種類の特徴や症状

世界で日本人患者が最も多い眠り病「ナルコレプシー」

ギリシャ語で「ナルコ/narco」“麻痺”、「レプシー/lepsy」“発作”に由来するのが、居眠り病とも言われる『ナルコレプシー』です。

 

ナルコレプシーは、昼間の耐えがたい眠気や、笑ったりびっくりすると全身の力が抜けてしまう情動脱力発作、寝入りばなに現れる金縛りのような症状である睡眠麻痺や、寝入りばなの夢体験による入眠時幻覚を主な症状とする慢性疾患です。

 

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出典:睡眠障害:ナルコレプシーの症状と改善予防

 

ナルコレプシーは、世界で日本人に最も多い病気とされています。(なぜ日本人に多い原因はわかっていません)

 

決して珍しい病気ではなく、日本では600人に1人程度(0.16%)は罹患していると想定されている。なお、世界の有病率の平均は2000人に1人程度(0.05%)であり、その4倍近い日本人の有病率は世界最高であるという。

 

●ナルコレプシー発症の原因は?

この病気の原因はまだ明らかにされていません。

 

白血球の血液型(HLA)を調べると、この病気にかかっている人には特定のタイプが多いため、何らかの体質的要因が発症に関係していることが考えられています。

 

ナルコレプシーの病因ではないかと疑われている物質には、オレキシンの欠乏があります。オレキシンは視床下部から分泌される神経伝達物質。オレキシンは睡眠・覚醒の制御に重要な役割を持っていると言われています。ナルコレプシーは、このオレキシンの欠乏が原因ではないかと言われています。

 

最近の研究では、『ナルコレプシーは遺伝的な物に加え、後天的な要素が組み合わされることで発症する』と考えられています。しかし、肝心の『後天的な要素』が何を指すのかまでは突き止められていません。

 

●治療法、改善法

 根治療法は確立されておらず、薬物療法と生活習慣の改善が二本柱です。

 

長時間眠り込んでしまい酩酊状態が続く「特発性過眠症」

特発性過眠症は、日中に強烈な眠気が襲ってきて、長時間眠りこんでしまう睡眠障害です。

 

ナルコレプシーとの違いは、睡眠時間と目覚め後の様子です。特発性過眠症の場合は、1時間以上寝入ってしまい、目覚めた後でもすっきりとせず、ずっと眠気が持続してリフレッシュ感が乏しい状態が続きます。

 

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目覚めた後も、スッキリしない状態が続き、寝ぼけがひどく酔っ払いのようにも見えるため、「睡眠酩酊」と呼ばれています。

 

一方で、この疾患では夜間睡眠は質量ともに特に異常はなく正常であり、結局、一日の総睡眠時間は10時間を超えることも珍しくありません。

 

●特発性過眠症発症の原因は?

特発性過眠症の原因は判明していません。

 

治療法も充分には研究されていないため、効果的な治療は難しいというのが現状です。研究が進んでいないのは、特発性過眠症がかなりめずらしい睡眠障害だということも原因のひとつです。(発症率は10,000人に1人くらいと言われています)

 

脳の覚醒を維持するシステムや睡眠を制御するシステムに何らかの異常が生じている事が原因ではないかと言われています。

 

特発性過眠症の原因は分かっていないので、眠気への対症療法が主体です。

 

特発性過眠症は、専門家の指示のもとでしっかりと治療を行えば改善できる可能性が高い病気です。日中の強い眠気で困っている時は、「気持ちの問題」や「気合いが足りない」などと考えるのではなく、病院を受診して専門家に相談してみてください。

 

まるで冬眠してるように眠り込んでしまう「反復性過眠症」

〔反復性過眠症〕は〔周期性傾眠症〕とも呼ばれる非常に珍しい〔睡眠障害〕のひとつです。

 

とにかく睡眠時間が長くなるのが「反復性過眠症」といわれる睡眠障害です。どのくらい眠るのかというと、1日に18~20時間くらいです。食事やトイレのときは起きますが、それ以外の時間はほとんど眠りつづけます。

 

このような時期は「傾眠期」と呼ばれていて昼夜を問わず過眠状態が続き、常に意識朦朧の状態となります。

 

強い傾眠を呈する時期(傾眠期)が3日から3週間持続し、自然に回復してまったく症状がなくなる(間欠期)が、その後、不定の間隔で傾眠期が繰り返し出現します。

 

●反復性過眠症発症の原因は?

反復性過眠症が発症する原因やメカニズムについては、現在のところ不明です。ナルコレプシーや特発性過眠症よりも症例数が少なく、なかなか研究が進んでいないようです。

 

比較的まれな疾患であり、正確な有病率は不明です。初発は、ほとんどの例で10歳代です。男性の症例は女性よりも2~3倍多いです。

 

次の傾眠期が来ないような予防対策として、リチウムや気分安定薬が有効な場合があります。発症に関してはストレスが誘因となることがあるので、家族や周囲の人々の理解と協力が必要となります。